井上製麺の原料へのこだわり
『神埼町史』(神埼町史編さん委員会、神埼町役場、昭和47年、P536)によると、 「幕末から維新にかけて、「仁比山うどんに佐賀下地(煮出汁)、神埼素麺シャキシャキシャキ」というのがあったという。それは山ろくの良い水と水車製粉で作られたうどんの味、城下町佐賀の味つけ、伝統をもつ神埼素麺の舌ざわりのよさを、たたえたのであろう。」と書かれています。
『神埼町史」にかかれているように、「本当は昔ながらの自然の素材が一番うまい。水は城原川から取った自然の軟水、塩は岩塩。小麦粉は脊振山系の山沿いで育てられた麦。それが一番だ。」と、井上製麺会長の井上寅夫はいいます。 昔のままの原料は難しいのですが、少しでも自然に近づけようと井上製麺は努力し続けています。 水は、地下100メートルの岩盤から染み出す地下水を更に、特別な浄化器でアルカリイオン化し、マイナスイオンを付加しております。飲料水としてもおいしく、調理用としても素材の味を引き立てます。 マイナスイオンを付加することで、臭いの除去、劣化(酸化)の抑制、新陳代謝の活性化が図られます。 塩もミネラル分が多い塩を取り入れています。 麦はコストや生産量の関係もあって輸入物も使いますが、有機栽培の小麦も使用します。3年以上、土作りからこだわって無農薬有機栽培を続けられている農家の麺づくりに向いている小麦を使用しています。良質なタンパク質とデンプン質が麺にコシと風味を生み出します。 井上製麺では、インスタントめんが全盛の中、「神埼そうめん」の名前に頼ることなく、卵や梅、野菜を練りこんだり、吉野ヶ里遺跡にちなんだ赤米や紫米を練りこんだ商品などの新商品の開発に力をいれています。 五代目井上製麺社長・井上義博は、約5年前から、赤米や紫米などの古代米を使ったそうめん作りに力を注いでいます。 古代米について独自に調査した結果、栄養価が高いことに注目し、小麦粉と混ぜたとき、小麦粉だけで作ったそうめんとは違う、喉ごしの良い味のしまった麺になることに気付きました。 更に商品開発の際には、米を細かく粉砕すると、特徴である赤や紫の色が目立たなくなるため、小さな粒が残るように工夫しました。 2006年には、佐賀県武雄市の山内町商工会と協同で古代米・黒米を練りこんで作ったパスタ麺「黒米もちもちパスタ」を開発。ゆであげると濃い赤紫色になり、もちもちとした食感が特徴の麺です。佐賀新聞(2007.2.4)でも紹介。 「黒米もちもちパスタ」は、道の駅 山内で購入できます。 住所:武雄市山内町大字三間坂甲14697-2 TEL::0954-45-6009 「国産のもの」を求める動きから、九州産の小麦粉を使ったうどん作りを始めています。 2007年10月より、隣接の「神埼めん工房百年庵」にて九州産小麦100%の手打ち麺を提供しています。 最近では、 長い伝統を持つ神埼麺を洋風メニューにも活用できるようにパスタ風にした、「麺懐石 赤米」を開発。赤米のほのかな味わいがどんなソースとも相性抜群です。2009年11月より発売になりました。 |
脊振山系天然水にマイナスイオンを付加した水を、百年庵にてお分けしています。 古代麺 |
製造工程
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