仁比山神社・御田舞

佐賀県神埼町の仁比山神社では、12年に一度の

申年の4月、初申の日より13日間にわたって行わ

れる盛大な御祭りがあります。ここには農耕の神と

して大山咋神を祀り、猿はその使いとして豊穣をも

たらすと信じられてきました。それゆえにこの猿に

通じる日に祭りが行われるようになったと考えられ

ます。

祭りの中心は、その間毎日奉納される御田祭です。

境内に設けられた舞台を田に見立て、田耕、種ま

き、田植えなど一年中の勤労を神様にご覧いただ

き、豊作の約束をとりつけるのです。

まず、「田打ち」が鍬で田を掘り返し「種蒔き」が種

籾を勢いよく四方にまきます。この種籾をまぜて自

家の田にまくと豊作になるといわれ、参詣人たちは

競って拾い集めます。

次に「代踏み」が柄振という農具で田の面をならし

ます。その時のかけ声は、長ければ長いほど稲の

穂が伸びるとされます。田植えは「稲童」が扇子を

早苗に見立てて行い、続いて無事に終えた喜びを

大空の舞で表します。代踏みの先導によって稲童

と鼓打ちが舞台いっぱいに円陣を組みながら舞う

のです。

最後には、鬼が突然現れて、急調子の囃子に合わ

せ、まさかりを振りかざしながら所狭しと舞台の上を

踏み回ります。これは稲の害を封じ込めるとともに

眠っている大地の精霊を呼び覚ますものといわれ

ています。

これらの舞にあわせて謡われる歌には、十世紀半

ばの歌謡や小唄が取り込まれており、文字での記

録が許されなかったにもかかわらず、古くからしっ

かりと伝承されてきたことが判ります。そこには、

神前で舞い歌うことを精神的な拠り所として、年々

農作業に励んできた民衆の姿があったのです。

『北島・ふるさと百科シリーズ168 』を参照させて頂きました)



代踏み
勅使・当造(トゾウ)
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    勅使   当造(トゾウ)